大腿骨頚部骨折骨接合術

大腿骨頚部骨折とは 骨接合術とは 入院してから 手術と麻酔 合併症 手術の後 リハビリテーション 退院後の生活と注意

大腿骨頚部骨折とは

大腿骨頚部

太ももの骨(大腿骨)の上端を骨頭といいます。骨頭は骨盤のくぼみにはまり込み、股関節を形作っています。大腿骨頚部とは、丸い骨頭の下の部分をいいます。

大腿骨頚部が折れると

大腿骨頚部にひびが入ったり折れたり(骨折)すると、痛みがでて歩くことができなくなります。

大腿骨頚部骨折は年配の方に多い骨折です。骨折などで、身体を動かさなくなると、身体の筋肉が衰えて、寝たきりや肺炎、痴呆の原因になります。

骨接合術とは

大腿骨頚部

大腿骨頚部骨折の治療の一つに骨接合術という手術があります。

折れた部分を金属の板やネジ(骨接合材)で、固定します。

骨折部を骨接合材で固定すると早目にリハビリテーションをすることができます。

使用する骨接合材は、骨折の場所や折れ方で使う種類がことなります。

入院してから

医師・看護師・理学療法士などが、お話をうかがいます。

自宅での生活習慣や、自宅の構造についてお話をうかがいます。

アレルギーの有無や今までかかった病気についてお話しください。糖尿病や心臓病などで他の病院にかかっている場合は、その旨をお話ください。

今まで飲んでいた薬や目 薬などは、かならず医師や看護師に見せてください。または、薬局でもらったお薬の説明書やお薬手帳、老人手帳をみせてください。薬によっては、手術に影響 するものがあります。手術にそなえて内服を中止したり、手術後に点滴に変更することもあります。

手術前の検査を行います。

心電図、胸のレントゲン、血液検査などを行います。

心臓や肺、肝臓や腎臓の状態を調べます。検査の日と内容については、担当医、看護師から説明があります。

担当医・看護師の指示に従ってください。

入院から手術までの食事やトイレは?

ベッドの上で食事やトイレをします。

看護師がお手伝いしますので、ナースコールを押してください。

手術と麻酔

麻酔について、主治医や麻酔医から説明があります。

麻酔の方法は、麻酔医または担当医が決定します。
わからないことは、遠慮なく医師や看護師におたずねください。

麻酔には、次のような方法があります。

  • 腰椎麻酔・・・
    腰から針を刺して麻酔薬をいれる下半身麻酔です。
  • 腰椎硬膜外麻酔・・・
    腰椎麻酔と同様、腰から麻酔薬を入れます。
    細い管を入れて手術後持続的に麻酔薬を注入することがあります。手術後の痛みの除去に効果があります。
  • 全身麻酔・・・
    気管に入れた管(気管内挿管)やマスクから、麻酔のガスを送り、全身に麻酔をかける方法です。

手術について、医師や看護師から説明があります。

  • 手術前日~当日
    手術前日の夜は、医師の指示で飲み薬がでます。前日の夜9時以降は食べたり飲んだりできません。
    普段飲んでいるお薬は、勝手に飲んだりせずに医師の指示にしたがってください。
    指輪、ネックレス、入れ歯など、取り外せるものは、手術当日にすべてはずします。
    貴重品は、家族の方が保管してください。

合併症

他の手術と同様に、下記の諸問題が起こる可能性があります。

手術に伴う諸問題

  • 麻酔に伴うこと
  • 肺動脈塞栓症(はいどうみゃくそくせんしょう)
  • 感染
  • 輸血による問題 

そのほか、手術中の予測不可能なできごとに対して、医療処置が必要になる場合があります

骨接合術に伴う主な合併症

  • 深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)
    足のむくみ・痛みがでて、塞栓症を起こす可能性もあります。
  • 細菌感染
    熱が出たり、腫れたりします。
  • 神経血管損傷
  • 偽関節(ぎかんせつ)
    骨がつかない状態です
  • 大腿骨頭壊死(だいたいこつとうえし)

手術の後

おしっこの管がはいっています。

手術後、尿量や血圧などの患者さんの状態をみて管を抜きます。無理に引っ張らないでください。

手術した部分に管が入っていることがあります。

手術の創部(きずぐち)に、体の中に貯まった血液を出す管が入っていることがあります。出血が少なくなったら抜きます。

麻酔薬の管が背中に入ってくることがあります。

手術のあとの痛みをやわらげるために、背中に麻酔薬を入れる管がついていることがあります。

酸素吸入

酸素マスクで酸素の吸入をすることがあります。医師の指示ではずします。

がんばって痰をだしましょう。

痰がからみやすくなっています。がんばって出してください。

水分やお食事は?

水分や食事は、医師・看護師の指示にしたがってください。

リハビリテーション

リハビリテーションはベッド上の簡単な運動からはじまります。リハビリテーションをがんばると、筋肉の力も戻ってきます。

リハビリテーションは、医 師・看護師・理学療法士が説明します。リハビリテーションの進み具合は、人によって違いがありますのであせらず自分のペースを守ってすすめてください。は じめは、痛くて動きにくいかもしれません。痛みが強い場合は、がまんをせずに医師・看護師にお話ください。

用意するもの

転びにくく歩きやすいゴム底の運動靴、パジャマを準備しましょう。靴は、紐の無い着脱しやすいものを選びましょう。手術後は足がむくみやすくなっています。靴は少し大きめのものを準備しましょう。

退院のゴール(回復の度合い)

歩行能力はけがをする前より衰えると言われています。回復能力や回復に要する時間は個人差が非常に大きいので、手術後のリハビリテーションの進み具合をみて、リハビリテーションのゴール(退院できる状態)やリハビリテーション科への転科を決める場合があります。

退院後の生活と注意

ご家庭の生活の場を見直しましょう

退院の基準は、患者さんの体力やけがをする前の状態によって異なります。自宅で快適な生活ができるように、生活の場を変える必要もあります。

リハビリテーションをすすめながら、自宅の環境を見つめなおしてみましょう。

下記のような症状があらわれたら、すぐに受診してください。

  • ふくらはぎや足の痛みや腫れ
  • 傷口が異常に赤くなったり、熱をもったり、膿や血などがでている場合
  • 呼吸困難や胸の痛みがある場合
  • 38度以上発熱している場合
  • 手術した部分が痛んで歩けない
このコーナーの情報は専門医の監修を頂いておりますが、患者様の状態は個人によって異なりますので、
詳しくは医療機関で診断を受け、主治医よりご説明を受けて下さい。

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